桜圃校友会賞
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桜圃校友会賞
山口県立大学同窓会桜圃校友会は昭和18年の設立以来、会員相互の親睦を図り、各自の教養を高め、母校の事業を支援し、併せて社会の進展と文化の向上に寄与することを目的に事業を展開してきました。21世紀の初頭にあたり母校が創立60周年を迎えたことを記念して山口県立大学同窓会『桜圃会賞』を設け、地域社会の振興と文化の向上に寄与した会員の活動をたたえ、以って母校と会員と地域社会とのつながりを強めその発展を願うものです。このたび、同窓会から校友会へと発展的に事業を継承し、『桜圃校友会賞』としました。
桜圃校友会賞の募集を開始
募集期間
2025年6月1日(日)〜8月31日(日) ※今年度の募集は締め切りました。
募集要項、募集要項内規
様式ダウンロード
令和6年度受賞者
功労賞
受賞者
昭和37年 山口女子短期大学 家政科食物専攻卒業
木村 僖乃
業績の概要
「地域社会や文化の振興に寄与する活動」
「地域社会や文化を担う人材育成に寄与する活動」
選考の理由
木村僖乃氏は、昭和37年山口県立女子短期大学家政科食物専攻を卒業後、病院、短期大学、クリニックと、管理栄養士として今もなお現役で社会貢献を継続されています。
病院勤務時代は病院業務の傍ら農村地域の食生活改善の研究及び農協婦人部を対象に栄養指導や講演活動に、また柳井市保健センターとの糖尿病教室を設立するなど幅広く活動され、農村医学会金井賞及び厚生労働大臣表彰他を授与されています。
下関短期大学時代は、病院経験を活かした臨床栄養学を担当され、表千家教授の資格を活かし食文化と礼を重んじた食教育を実践されました。同時に訪問介護現場における食サービスの実態を調査研究及び糖尿病予防教室も開催されています。これらの教育・研究活動は学会発表とともに、下関短期大学紀要にまとめておられます。現在はウエルネスクリニックで、管理栄養士として糖尿病患者への食事や運動指導の外、地域住民への講演活動も精力的に実施され、これらの知見を実践研究として学会やセミナーで発表されています。
一方65歳から始められたマラソンは、現在81歳で4時間17分22秒のタイムで日本マラソンランキング1位、年代別でも1位を10年間キープされています。このように食事と運動の重要性を自ら身をもって示され、今なお現役で管理栄養士活動を推進される姿と併せて、本学栄養学科同窓会桜栄会会長として、卒業生や学生、教員へ力強いメッセージを送り続けていただいています。以上により令和6年度桜圃校友会賞選考委員会は、全会一致で木村僖乃氏に桜圃会功労賞を授与することとしました。
奨励賞
受賞者
平成14年 生活科学部環境デザイン学科卒業
平成18年 大学院修了
平川 和明
業績の概要
「地域密着型文化財保存研究プロジェクト」
山口市興隆寺の仏座の復元
萩市南明寺の賓頭盧坐像の模型と椅子の制作
選考の理由
平川和明氏は、現在、山口大学教育学部美術教育選修の准教授として、教育・研究・地域活動に日々貢献している。プロダクトデザインを専門として、本学学部卒業後はフィンランドの大学でより専門的に家具デザインの手法と制作技術を磨き、本学大学院修了後は伝統技法や加工技術も修得した。
2005年に、「木工家具工房(LB FURNITURE WORKS)」を設立し、大量生産とは異なる特注の家具生産を行い、顧客の生活環境やスタイルなどに合わせた造形・機能を提案し、ロングライフデザインとなり得る家具制作を実践している。その確かな技術力が高く評価され、2009年に「第1回新進アーティスト大賞」(山口市)を受賞した。
地方には消失の危機に瀕している多くの歴史的造形物(文化財)がる。平川氏は、それらの保護を目的として、山口県における歴史的造形物の保存・修復・復元およびアーカイブ化の活動も行っている。この活動は、「地域密着型文化財保存修復研究プロジェクト」(山口大学)として行われている。主な活動の一つに、山口市興隆寺の文殊菩薩坐像の仏座(獅子台座と岩台座)の復元がある。仏座の調査・分析により、復元する仏座の樹種を明らかにし、造形や寸法、構造等を推定し、それをもとに、木工芸の加工技術を用いて台座の基礎となる木地の木組を制作した。
この復元の功績が認められ、彫刻の上原一明氏(山口大学教授)、彩色の馬場良治氏(選定保存技術保持者)とともに、天台宗から表彰された。
平川氏は、地域社会が有する歴史的造形物は当該地域のアイデンティティ確立の重要な要素であり、貴重な財産である、これらの修復・復元を図ることは、地域の文化的な基盤の維持につながり、地域振興に寄与するものであると考えている。
このような平川氏の活動は、SDGsやサスティナブルデザインが問われる今、きわめて今日的な課題に対して地域と密接に関わりながらの取り組みであり、今後いっそうの発展を期待して、令和6年度桜圃会賞選考委員会は、全会一致で平川和明氏に桜圃会奨励賞を授与することとした。
受賞者
平成17年 山口県立大学 生活科学部 生活環境学科卒業
平成19年 山口県立大学院 国際文化学研究科 国際文化学専攻修了
松村 竜也
業績の概要
「デザイン企画を通じた地域の課題解決と魅力発信および新たな価値の創造」
選考の理由
松村竜也氏は、現在県内の広告代理店、株式会社コアの企画制作部に所属され、クリエイティブディレクターとして活躍されている。
山口県立大学・大学院を卒業後、広告クリエーターとして携わった、自治体、県内企業、大学・高校等のプロモーション映像、印刷物、WEBサイトなどの制作実績は幅広く数え切れない。
その案件の1例、県大入試広報ポスター(2013年~)では山口県広告大賞グラフィック部門グランプリを連続受賞。最近では県の男性の育休取得推進PR動画(2022年)で山口県知事賞を受賞するなど、受賞歴も数多い。
常に時代を見据えた先端を行く知識を学び、実践。コロナ禍において世界6カ国をオンラインで繋いで1000人同時に乾杯する「獺祭オンライン同時乾杯 ギネスに挑戦!」を企画し、世界中で話題になった。
松村氏の事業に取り組む姿勢には、ただ商業的な「売れる」企画を作るのというのではなく、地域の課題を解決するために、広告の手法を用いて、魅力発信および新たな価値の創造をめざしてきたことが感じられる。それが高く評価されてきたことの源にあるだろう。
県外から大学入学で山口にやってきて、その魅力に取り憑かれて定住。「山口を面白くしたい!」をモットーに、県大で学んだデザインのノウハウを通じて地域の課題と向き合うことにやりがいを感じて活動されている。
松村氏は是非後輩たちにも自分のような選択肢もあるんだと知ってもらいたいと思われている。 このような松村氏の活動は、地域社会や文化の振興に寄与する活動、また生活文化の創造や普及に寄与する活動である。これからのさらなる活躍、発展を期待し、令和6年度桜圃校友会賞選考委員会は、全会一致で松村竜也氏に桜圃会奨励賞を授与することとした。
学生賞
受賞者
手話サークル 幸せの星
部長 西村美咲
業績の概要
「聴覚障害者の理解と支援の輪を広げるための手話普及活動」
選考の理由
「手話サークル幸せの星」は、社会福祉学部の学生が中心となって長年活動を続けてきた団体である。サークル所属の学生たちは、手話の習得をめざすだけでなく、聴覚障害者への理解と手話への理解の促進を図った活動を行ってきた。その具体的な活動には、地域のイベント等での手話歌の披露や小学生に向けての手話講座があげられ、福祉教育の一翼を担っている。
現在、手話は言語のひとつとして障害者基本法にも位置付けられているが、社会において手話が言語であるという認識や理解が決して広まっているとは言えない。
聴覚障害者についての正しい理解を促し、支援の輪を広げ、手話が言語であるという認識に基づいた手話への理解の促進と普及を学生の視点により目指す活動は、「地域社会への貢献が期待できる継続的な活動」に値し、学生としての顕著な貢献である。
令和6年度桜圃校友会賞選考委員会は、全会一致で「手話サークル幸せの星」に学生賞を授与することとした。